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ニュースリリース  2010/04/01

特定保健指導 スロー発進
厳しい財源に保険者も苦慮

メタボ対策の切り札『特定保健指導』が苦戦している。2008年4月、医療構造改革の一つとしてスタートした 特定健診・特定保健指導、この4月で3年目となる。初年度、健診結果のデータ処理の混乱などから、 特定保健指導の開始が大幅に遅れたことを受け、保険者側が保健指導の規模縮小や実施を断念、実施数が極めて限定的なものとなった。 3年目を迎えた今も、厳しい財源は改善されず高額な指導料がさらに追い討ちをかけているようだ。 この状態が続けば、国の威信をかけたメタボ対策はまさに絵に描いた餅。特定保健指導の明日はあるのだろうか。

特定保健指導対象者の見込数は、特定健診結果等からの推計が困難であることから、特定健診受診見込数に、 全国標準値の特定保健指導対象者の出現率25%(動機づけ支援・積極的支援合わせて男性34%、女性16%)を乗じて算出する。 ある調査機関のデータによると、2年後の2012年度の特定健診受診者は全国で2730万人(実施率=約49%)、 特定保健指導は250万人規模にとどまると試算。厳しい現状が続くと予測している。しかし一方「何でも最初は動きが鈍いもの。 これからは保険者側も目標達成(※2015年までに糖尿病等の生活習慣病有病者、予備群を25%減少させる)に向け注力度を強めるはず。 特定保健指導の駆け込み需要が急激に発生する可能性もある」との楽観的見方もある。

2008年の特定保健指導創設から保健指導に携わる順風会健診センター(松山市高砂町)の黒川泰伸保健師は、 全国的なこの状況を「問診時に実施する保健指導希望の有無を聞く質問で、8割強の人が「機会があれば利用したい」と、 積極的な姿勢をみせる反面、受診に結びつかないジレンマがある。実施義務が保険者にあることから、被保険者の健康志向がいくら高くても、 全て保険者の『お家の事情』に委ねられているところに問題があるのでは」と、その仕組みを不安がる。 かといって保健指導の現場ではどうすることもできない。「私たちのできることは一つ。どんな状況でも質の高い最高の指導をめざすこと」と、 自らの立場を明確にしている。

65歳以上の高齢者人口の割合は、2015年に26%に達すると予測されている。 財源難に苦しむ保険者の懐事情もよく分かるが、中長期的な医療費の伸びの適正化に向け、早いうちの対策が講じられることを望みたい。 『特定保健指導』という土俵に人が上がってこない以上、医療費の適正化は水の泡と化す恐れもあるのだから。

 

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